近年、光のインターネットを利用しようとしても速度が低下していて、満足いくサービスを受けられていない。
そんな方が多くいると思います。
光インターネットの通信速度の低下が叫ばれるようになりましたが、その要因として、スマートフォンが普及し、動画配信サービスなどの大容量の通信を必要とするサービスが多く提供されるようになって、ひとりひとりの通信量が増加したこともあげられます。
しかし、ひとりひとりの利用容量の増加が増えてきているにも関わらず、光のインターネットの設備の増設などのルールは過去に制定されたものが今だ運用されている背景があります。
何故、光のインターネットの設備はすぐに増設されないのか、増設されても何故なかなか改善しないのか。
ここではそんな背景と、これからの光インターネットについて書き綴っていきたいと思います。
きっと、この記事を読めば、IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6への移行を進めたくなります。
ネットが遅い!を解決できる「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」が使えるのはDTI の光サービス
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速度低下の原因
まずNTT東日本/西日本が提供する光回線サービスの次世代の情報通信ネットワークを
NGN(Next Generation Network)網と呼びます。
NTT東日本/西日本が提供するサービス名称としては「フレッツ光ネクスト」で提供されています。
これはNTT東日本/西日本が各事業者に卸して提供している「光コラボレーションモデル」でも同様のNGN網が提供されます。
光コラボレーションモデルについてはこちらの事業者変更承諾番号で説明しています。
このNGN網の網終端装置と呼ばれる機器で通信が混雑することで速度低下が発生します。
網終端装置とは
NTTのビル内に網終端装置という機器がプロバイダ毎に設置されていて、プロバイダによって設置される網終端装置の数が異なります。
利用者はインターネットをつなぐ際に、この網終端装置を通ってインターネットの閲覧が行えます。
複数台の網終端装置があれば、そのいずれかにつなぎにいきます。
網終端装置1台で通信できる容量には限りがあるため、複数台の網終端装置があれば、それだけ接続の容量を分散して、沢山の方が通信できるようになります。
また、網終端装置の通信容量がいっぱいになると、通信の混雑が起きて、通信速度の低下が発生します。
この網終端装置の通信容量がいっぱいになることが、現在のインターネットの速度低下の大きな要因です!
通信の流れとしては簡易化すると次のような流れです。
網終端装置の混雑が原因で速度が低下します。
ですが、NTTの定めた基準を満たさないと、網終端装置の増設は行なえません!
これは都道府県毎で設備が異なるため、利用地域によって状況が変わってきます。
ルータの電源入れ直しで、混雑の起きていない、網終端装置に接続されると、速度が改善することもあります。
そして、この網終端装置はNTTの定めた基準に到達すると、プロバイダから申請して設備の増設ができるようになっているのですが、このNTTの定めた基準というのが問題になっています。
NGN網終端装置の増設基準
NTTの定める、NGN網内の網回線終端装置の増設基準は簡単に言うと「利用者数」が「一定の数に達したら網終端装置の増設を認めますよ」というものです。
一方、近年のインターネット事情はひとりひとりの通信量が増加していて、利用者は一定の基準の数に満たないけれども、通信の容量は増大していて、網終端装置が通信容量がいっぱいになっている状態です。
この網終端装置の増設基準を今の時代に合わせて「利用者数」ではなく「通信量(トラフィック)」にすべきだという意見が「一般社団法人 日本インターネットプロバイダー協会」からNTTにあげられましたが、増設の「利用者数」の基準を下げるだけで、「通信量(トラフィック)」基準への変更は見送られたようです。
今のひとりひとりの通信容量が増大した時代背景からすれば、NTTの増設基準を「通信量(トラフィック)」に変更してもらって然るべきという感じもしますが、光ファイバーの敷設や設備の維持に莫大な費用もかかっているでしょうし、NTTにはNTTなりの理由もあるのでしょう。
現状で改善はあるのか
実際のところ、網終端装置の増設は定期的に行われていても、通信量の増加の方が早く、増設されても網終端装置の通信容量がすぐいっぱいになってしまっているのが現状のようです。
それでは現状の網終端装置の混雑は解消されるのを待つしかないのかというと、実は、この網終端装置を利用するのは「PPPoE方式」という、プロバイダから発行された、IDとパスワードを設定して利用する方式です。
現在、この網終端装置を通らずにNGN網を通過してインターネットの利用ができる「IPoE方式」という別の通信方式で利用できるサービスが始まっています。
そのサービスというのが「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」です。
★「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」の詳細はこちらで書きましたのでご覧ください。
★ 「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に必要な「VNE」についてはこちら
IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6で今後のインターネットの混雑はどう変わるか
従来の「PPPoE方式」で利用している方が、「IPoE方式」の「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に切り替えることで、確実に通信の混雑の影響をうけずに、快適なインターネットが利用できるようになるでしょう。
そして、「IPoE方式」の「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に移行が進めば、従来の「PPPoE方式」にも余裕ができ、ある程度の通信速度が安定して使えるようになるでしょう。
ただし、これはずいぶん先の話だと思います。
また、「IPoE方式」の「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」も通信の上限がまったくないわけではありません。
「IPoE方式」用の設備自体は「通信容量(トラフィック)」を基準とした対応がされるそうなので当面は問題ないと思われますが、NGN網という通信網自体の上限がいずれ来てしまえば「v6プラス」でも混雑が発生するということは起こりえると思います。
これはこの先、日本、世界の通信環境の変化に伴い、新たな施策や技術が生まれてくるんではないでしょうか。
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まとめ
- 速度低下の要因はNTTビルにある「網終端装置」
- NTTの網終端装置の増設基準は「利用者数」で近年の「通信量(トラフィック)」が増大した状況と合っていない。
- 対策としては新しい接続方式で使える「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」で通信混雑を回避できる。
- いまならとにかく「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に切り替えると快適にインターネットの利用ができる。
以上、近年のインターネットの速度低下の原因と改善対策についてでした。
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(「v6プラス」は、日本ネットワークイネイブラー株式会社の登録商標(または商標)です。)
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